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難しい神経内科の病気 (5) [神経内科の病気]

 眼が動かない……ムセやすい……ころびやすい、この三つの症状が特徴となる神経内科の病気がある。

  病気の場所は中脳(ちゅうのう)、基底核、小脳の歯状核(しじょうかく)といったあたりが中心となる。原因は不明。

  最初に述べたのは、特徴的な三つの症状だが、普通に言えば、パーキンソン症状、認知症、核上性眼球運動障害(かくじょうせいがんきゅううんどうしょうがい)、易転倒性(いてんとうせい)などとなる。

 パーキンソンでは手足の筋肉が硬くなる、首が硬くなるのだが……この病気では、手足も硬くなるが、首の硬さがより強く出る。認知症もアルツハイマーと違って、記憶障害というより……判断力が落ち、質問に答えるまでに時間がかかる……それに深刻な病気なのに悲壮感がない。

 核上性眼球運動障害の「核」とは……眼を直接動かす神経細胞が集まった部位のことである。「核上性」とは……眼を直接動かす神経細胞の上位のレベルということ、つまり核上性注視麻痺とは……眼を動かす神経細胞を、さらに上位からコントロールするシステムの障害によって、眼が動かなくなったことを意味している。

 そして、この眼が動かないのにも特徴がある。たいていの場合、最初は……目が下に動きにくくなる。下を見にくくなるのである。進行すると上へも左右にも動かなくなる。そして、最後は眼が固定してしまう。この症状が出ると診断は容易である。

 この病気の名は、進行性核上性麻痺。英語名は、progressive supranuclear palsy、略してPSP(ピーエスピー)という。名前にあるように、進行性の病気であり、最後はムセがひどく、口からの食事はできなくなる。そして、確たる治療法はない。難しい病気の一つである。

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