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ちょっと気になる神経内科の病気(12) [神経内科の病気]

 脳に棲む三匹の生き物について前に書いた(https://blog.so-net.ne.jp/MyPage/blog/article/edit/input?id=59267646)。そのうち、野獣とハ虫類が棲むところに病気が起こることがある……辺縁系脳炎という病気である。

 ここに病気が起きると、元気がなく意欲がなくなるという……うつ症状、統合失調症、てんかんなどの症状が出てくる。呼吸がおかしくなる、意識がなくなることもある。

 辺縁系脳炎の原因はウイルス、ホルモン臓器の病気などいろいろあるが……こんな症状が20代を中心に、若い女性に急に起ることがある。頭のMRIをとれば、何か異常所見が見つかることもあるが、見つからないことがある。原因がわからないまま経過し、意識障害が長引き、人工呼吸器が装着されたままになることもあるという。患者さんが若いから、よけい悲惨である。

 さて、この若い女性に急に起こる野獣やハ虫類の脳の病気の原因は何か?

 実は、卵巣に大元の原因があることが多いのである。卵巣といっても、ホルモンの異常ではない。ここにできる奇形腫が大元の原因であるが、病気を起こした犯人は……患者さんの免疫系である。

 免疫系? 免疫系の誤認識である。つまり、奇形腫を逮捕しようとして、野獣やハ虫類の脳まで逮捕してしまったのである。またしても、冤罪事件である(https://blog.so-net.ne.jp/MyPage/blog/article/edit/input?id=60049443)。
 
 治療は、卵巣にできた奇形腫を取り除き、免疫系がしでかした誤認逮捕の後遺症を鎮めるためにギランバレー症候群でやるような治療、けいれんを抑える治療などの対症療法などが施されることになる。 早く診断され治療も早ければ、後遺症は少ないはずである。

 
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