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ちょっと気になる神経内科の病気(10) [神経内科の病気]

酒の害:パート2

 酒が原因で起きる病気の二番目は、ウエルニッケ脳症である。これには、有名な三主徴(特徴的な症状)がある。

 一つは物が二つに見える……小脳の前にある脳幹に病変がおきて眼の動きが障害されるためだ。二つ目がふらつき……これは、前回触れたように小脳の虫部に病変が起きるため。三つ目が意識がおかしくなる……何か問いかけても反応が鈍くなる……ひどくなると、だんだんと、こん睡状態に近づいていく。

 原因は酒もあるが、ビタミンB1の欠乏もある。酒を飲むと、ビタミンB1を大量に消費し、欠乏症がおこるのである。酒飲みの場合、ビタミンB1に限らず、他のビタミンも不足しているのだが……。だから、治療は、やはり、酒を止めてもらい、ビタミンB1の大量療法(点滴や静脈注射で)などが行われる。

 しかし、この病気がおこったということは……元々、かなりの期間、大量の酒を飲んでおり、そのために害がでているわけで、後遺症はさけられない。記憶障害、見当識障害(日時がわからなくなるなど)、人格の破綻などが残り、特異な認知症になるのである。御家族にもいろいろと迷惑をかける……やっかいな認知症である。

 やはり、予防が大切ということになるのだが……なかなか、難しいようである。

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