地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第79回) [ミステリー]
「では、私からお話します。 昨夕の取り調べですが、高木洋介は、素直に色々しゃべってくれました。 高木は、まず、福本洋平殺し、山下昇と野垣良子殺し、すべてを認めました。 ただ、高木は、すべてマスターの指示で動いたと言ってます。 やらなければ、自分がやられるから、やったと、そう言ってます。
それから、これは吉本敦子も言ってたことですが、福本洋平殺しの指令とともに、細かい指示もマスターからメールで送られてきたとのことです。
で、沢口絵里香殺しは、マスターから山下昇に司令が下りてたらしくて、それは高木への指令とつながるもので、両者が共同で、行ったようです。 福本洋平を転落させたとき、橋の下に山下がいたのは、もし福本が死なんかったときには、下でとどめを刺すためだったとのことです。
野垣良子に関しては、マスターとの関係は直接はなく、内縁の妻として山下昇に協力したんじゃないかということでした」
「つまり、野垣良子と吉本敦子の女性二人は、マスターとは直接の関係はなく、それぞれが山下と高木の協力者だった、ということですね?」
佑太が訊いた。
「そういうことに……なりますね」
毛利はゆっくりと考えながら答えた。
「で、やはり、山下昇殺害も、マスターの指令ということですか?」
「その通りです。 吉本敦子の供述にあったように、山下は福本のポケットから金を抜き取ったのが命取りになった。 どうも、それはルール違反だったらしいのです。 殺人の指令を出しておいて、指令を受けたものが役目を果たしても、盗みを働いたら、そいつに死のペナルティですから。マスターの頭の中は、いったい、どうなってんでしょうかね? マスターというのは、一種のサイコパスなんですかね?」
「サイコパス? 反社会的な異常性格者、つまり、精神病質者ということですね。 確かに、支配欲が強く、自分の価値観から外れるのを極端にきらう……偏執的なところがみられますから、その可能性もあるかもしれませんね」
佑太は答えた。
「安藤先生は、何か気になることがあるのですね?」
「ええ、ちょっと……」
佑太は言い淀んだ。
「そうか。 あれですね、石田三成との関係ですね」
毛利は笑いながら言った。
「ええ、そうですが……毛利さん、事件の関係者と石田三成の関係、わかったんですね」
佑太は言った。
「ええ、調べはついてますよ」
毛利は、焦らすような言い方をした。
続く ⇒ http://shiratoriksecretroom.blog.so-net.ne.jp/2013-10-30-1
それから、これは吉本敦子も言ってたことですが、福本洋平殺しの指令とともに、細かい指示もマスターからメールで送られてきたとのことです。
で、沢口絵里香殺しは、マスターから山下昇に司令が下りてたらしくて、それは高木への指令とつながるもので、両者が共同で、行ったようです。 福本洋平を転落させたとき、橋の下に山下がいたのは、もし福本が死なんかったときには、下でとどめを刺すためだったとのことです。
野垣良子に関しては、マスターとの関係は直接はなく、内縁の妻として山下昇に協力したんじゃないかということでした」
「つまり、野垣良子と吉本敦子の女性二人は、マスターとは直接の関係はなく、それぞれが山下と高木の協力者だった、ということですね?」
佑太が訊いた。
「そういうことに……なりますね」
毛利はゆっくりと考えながら答えた。
「で、やはり、山下昇殺害も、マスターの指令ということですか?」
「その通りです。 吉本敦子の供述にあったように、山下は福本のポケットから金を抜き取ったのが命取りになった。 どうも、それはルール違反だったらしいのです。 殺人の指令を出しておいて、指令を受けたものが役目を果たしても、盗みを働いたら、そいつに死のペナルティですから。マスターの頭の中は、いったい、どうなってんでしょうかね? マスターというのは、一種のサイコパスなんですかね?」
「サイコパス? 反社会的な異常性格者、つまり、精神病質者ということですね。 確かに、支配欲が強く、自分の価値観から外れるのを極端にきらう……偏執的なところがみられますから、その可能性もあるかもしれませんね」
佑太は答えた。
「安藤先生は、何か気になることがあるのですね?」
「ええ、ちょっと……」
佑太は言い淀んだ。
「そうか。 あれですね、石田三成との関係ですね」
毛利は笑いながら言った。
「ええ、そうですが……毛利さん、事件の関係者と石田三成の関係、わかったんですね」
佑太は言った。
「ええ、調べはついてますよ」
毛利は、焦らすような言い方をした。
続く ⇒ http://shiratoriksecretroom.blog.so-net.ne.jp/2013-10-30-1
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