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神経内科百科辞典(257) [神経内科百科辞(事)典]

ヤールの分類

 パーキンソン病の重症度分類の代表的なものです。

 下に、その分類を記述します。

1度: 症状が片方の手足のみの状態で、日常生活への影響はまだ極めて軽微

2度: 症状は両方の手足にみられるが、まだ障害は軽く、日常生活は多少の不自由はあっても従来どおり可能であり、歩行障害はないかあっても軽微である。

3度: 症状が両方の手足にみられ、典型的な前屈姿勢、小刻み歩行がみられる。 日常生活は自立しているが、職種の変更などかなりの制約をうけている。

4度: 両方の手足に強い症状があり、歩行は自力では不可能であるが、支えてもらえば可能である。日常生活でもかなりの介助を要する。

5度: ベッドまたは車椅子の生活で、ほとんど寝たきり。全面的な介助を要する。

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神経内科百科辞典(256) [神経内科百科辞(事)典]

モヤモヤ病

 内頚動脈が頭蓋内に入り最初に血管を分岐する直前で左右とも急速に狭窄ないしは閉塞する病気です。

 ヒトの脳は四本の血管によって栄養されています。 左右の内頸動脈と椎骨動脈です。 左右の椎骨動脈はつながって脳低動脈となり、左右の内頸動脈とループをつくっています。 これがウイリス動脈輪です。

 モヤモヤ病では、ウイリス動脈輪が機能せず脳血流が不足し、その結果動脈輪近傍の毛細血管が多数拡張して側副血行路を形成し脳血流を維持しようとします。

 血管撮影検査などでこれらの毛細血管が立ちのぼる煙のようにもやもやと見えるためこの病気がモヤモヤ病と名づけられたのです。

 モヤモヤ病は、けいれんや意識消失発作、脳梗塞や脳出血の原因となります。
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神経内科百科辞典(255) [神経内科百科辞(事)典]

迷走神経(メイソウシンケイ)

 第十脳神経のことです。 

 神経細胞は延髄にあり、消化管や心臓、肺へ枝を送り副交感神経として、それらの機能を調節しています。

 また、第九脳神経である舌咽神経とともに、のどの動きを支配しています。
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神経内科百科辞典(254) [神経内科百科辞(事)典]

無症候性脳血管障害(ムショウコウセイノウケッカンショウガイ)

 文字通り読めば……身体に何も異変はないのに、脳血管障害……そうなります。

 で、その通り。 血管性の脳実質の病巣による神経症候がない、脳卒中の既往がない、そして、画像検査(CT、MRI)で血管性の脳実質病巣が確認されるときに、そう診断されます。

 40歳過ぎると少しずつ、こんな病変がみられるようになります。 頭を打って、頭痛がして、あるいは脳ドックを受けたときなどに見つかることになります。  特別数が多いとか、大きなものがあれば別ですが……多くの方でみられるものですので、あまり、ショックを受けないようにしてください。
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神経内科百科辞典(253) [神経内科百科辞(事)典]

ミトコンドリア病

 酸素を使って、効率的にエネルギーをつくりだす細胞内小器官、ミトコンドリアの機能低下によって、主に心臓・脳・骨格筋(手足の筋肉)に異常を生じる病気の総称です。

 大半はミトコンドリア遺伝子の異常によっておこります。 一部、薬剤の副作用などでおこるものもあります。

 ミトコンドリア病にもいくつか種類がありますが、代表的なものとして、子供におこり、ミオクローヌス、てんかん、知能障害をおこす福原病、脳卒中をおこすMELAS(mitochondrial encephalopathy, lactic acidosis and stroke-like episodes)などがあります。
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神経内科百科辞典(252) [神経内科百科辞(事)典]

ミオクローヌス

 自分の意志と関係なく起る、不随意運動の一種で、瞬間的に複数の筋群が素早く収縮し、ピクッとする動きが手足などにおこります。

 しゃっくりは横隔膜におこるミオクローヌスのことです。

 英語では「myoclonus」といいます。
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神経内科百科辞典(251) [神経内科百科辞(事)典]

ミエリン

 神経線維に巻きついている鞘のようなものです。

 そして、それは鞘であると同時に、絶縁体になっています。 

 絶縁体の鞘は、神経線維をすべて覆い尽くしているのではなく、一定間隔でとぎれがあります。 

 神経線維を通る刺激は、このとぎれを飛び越えて伝わっていきます。 これを跳躍伝導と呼び、伝導速度が非常に速くなります。

 中枢神経では乏突起膠細胞の、末梢神経ではシュワン細胞の細胞膜が伸びて巻きついて、ミエリンができています。

 ミエリンが巻きついた神経を有髄神経、そうでないものを無髄神経と呼びます。

 そして、有髄神経では刺激伝導が跳躍するため、無髄神経に比べ刺激が速く伝わることになるのです。
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神経内科百科辞典(250) [神経内科百科辞(事)典]

マルキアファーバ・ビグナミ病

 アルコール多飲者におこるもので、大脳の中心部にある脳梁(ノウリョウ)に限局した脱髄と壊死がみられます。

 マルキアファーバとビグナミは、この病気で亡くなった患者二人の脳の解剖所見を1903年に報告した研究者の名前です。 両者ともイタリア人です。
 
 しかし、最初の1例を報告したのは、別なイタリアの研究者で、1898年のことです。 3例そろったところで、こんな病気があるんだ……ということが認識され、それを可能にしたのがマルキアファーバとビグナミの報告だということで、この二人の名前を連ねて、この病気の名前としたということです。

 意識障害、痴呆、けいれん発作などをおこします。
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神経内科百科辞典(249) [神経内科百科辞(事)典]

末梢神経(マッショウシンケイ)

 神経組織における末端組織のことです。

 脊髄から出る脊髄神経、脳幹などから出る脳神経が、解剖学的には、末梢神経に分類されています。

 その役割を具体的に述べれば、身体のうちと外の情報を集めて中枢に送り、一方では中枢の指令を受けて骨格筋や内臓組織へ指令をとどけることです。

 前者の役割が感覚系(感覚神経)、後者の役割が運動系(運動神経)ということです。
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神経内科百科辞典(248) [神経内科百科辞(事)典]

マチャド・ジョセフ病

 遺伝性脊髄小脳変性症の中で頻度の高いものの一つです。 

 遺伝形式は、常染色体優性遺伝です。

 最初は、ホルトガル領のアゾレス諸島で見つかり、特有な地域、民族だけに限定する病気かと思われていましたが、その後、日本も含め各国で発見されて、日本でも遺伝性脊髄小脳変性症の中では比較的頻度の高い病気とされています。 

 発病年齢は若年から中年までにわたり、運動失調、びっくり眼(眼をむくような眼の表情)、ジストニア(身体をねじるような不随意運動)、筋萎縮などがおこります。
タグ:神経内科
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