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神経内科に紛れ込んでくる病気(3) [神経内科の病気]

 頭痛や顔面の痛み、めまいは、私の外来で最もよく聞く患者さんの訴えだが……そんな症状の患者さんで頭部のMRIやCTを撮っていて、たまたまではなく、ちょくちょく見つかるものがある。それは、慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)である。

 副鼻腔……鼻腔、つまり、鼻の穴の奥の空間につながる頭蓋骨の顔面部分にある空隙である。鼻の両脇の顔面の骨の下にあるのが上顎洞、眉が生えてる部位の骨の下にあるのが前頭洞、そしてもう二つ、鼻の奥に篩骨洞(しこつどう)と蝶形洞(ちょうけいどう)がある。

 この四つの顔面の骨の空隙である副鼻腔に炎症を繰り返すのが……慢性副鼻腔炎……ということになる。

 この空隙、普通は空気が充満している。炎症を起こす……粘膜は腫れ、粘液や膿が溜まり、圧が上がってしまう。すると、頭痛の原因になるのであるが、落ち着けば、頭痛は消えて無症状……だから、本人は気づかない。知らぬが仏ということである。そして、頭痛の原因をさぐる目的でない時に、偶然発見されることもある。

症状がなければ……ご本人に、そのことを告げ、症状(鼻づまり、局所の痛み、長引く色つきの鼻汁など)が出たら、耳鼻科にかかるようすすめるし、頭痛の原因と思えば、すぐに耳鼻科に紹介することになる。結構、見つかる頻度が高いので、風邪をひいたらすぐに鼻にくる、鼻詰まりがなかなか治らないと言う方は、この病気を疑ってもよいかもしれない。

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