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神経内科に来る患者さんの症状(5) [神経内科の病気]

 神経内科には、ふるえを訴える患者さんも多い。その中で、一番多いのが本態性振戦(ほんたいせいしんせん)か。字を書くとき手が震えてこまる。人前に出るとひどくなる。そんな訴えである。このふるえ、ご家族にもみられると、家族性振戦と病名が変わる。常染色体優性遺伝なので、どちらかの親にもふるえがみられる。高齢者にみられる時に老人性振戦と診断されることもある。このふるえの場合、一定の姿勢で腕の位置を保つ時におこるので、症状、所見としては姿勢時振戦(postural tremor)と呼ばれる。精神的に緊張した時、交感神経が高ぶり、ふるえがひどくなる。治療としては、交感神経を鎮める薬剤を処方するのが、一般的である。交感神経を鎮める薬剤は、ふるえは抑えるが、喘息の持病があれば、交感神経が抑えられて気管支が狭くなり、喘息症状が出るので、原則投与はされない、禁忌である。
 ふるえがみられる、病気として有名なのはパーキンソン病である。この病気でのふるえはゆったりと手を膝の上などにおいて、リラックスしている時にみられる。そのため、症状、所見としては安静時振戦と呼ばれる。もちろん姿勢時振戦もみられることも多い。この病気の場合、本態性振戦で使われる交感神経を抑える薬も処方されることがあるが、パーキンソン病治療薬そのものにも、ふるえを抑える作用はあるので、それだけで治療されることもある。
 ふるえをきたすものとしては、そのほかにもいろいろあるが、それはまた別な機会に……。
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